習志野市の子ども達を放射性物質による被曝から守る為の要望書

当会より2012年3月8日付で習志野市に対して習志野市の子ども達を放射性物質による被曝から守る為の要望書を提出しました。

 

4月13日に習志野市より回答を頂きました。

 

以下は、当会の要望及び補足説明、習志野市よりの回答を、各要望項目ごとにまとめたものです。

要望書本文のみはこちら

 

【給食などの対策】

 

  

A-1.給食のメニュー作成の工夫(移行係数の低い食材の使用)

  

 <習志野市・回答>

給食の献立については学校給食摂取基準及び乳幼児の食事摂取基準(習志野市算定)の栄養価を満たすよう、各校で作成しております。移行係数については食材によって異なりますが、低いものだけを選んで使用するということは行っておりません。

使用する食材については、安全性を確保するため、現在、翌月の献立の中で使用頻度の高い野菜や果物類等の食材については、教育委員会、給食センター、及び子ども保育課と連携し放射性物質のモニタリング検査を実施しております。

                      【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

A-2、給食食材の選定(放射性物質に汚染されていない土地(産地)の食材および放射性物質測定後不検出の食材の使用)

(要望の補足説明)

セシウムが検出された食材に関し、基準値内ということで給食食材として使用するのではなく、発達著しい子どもへの影響及び保護者の不安低減の為、その食材を給食に使用しない運用を実施してください。

 

 <習志野市・回答>

牛乳のほか、野菜については、関東・東北などの産地の食材の一部について

使用月の前月に市独自で放射性物質検査を実施し、安全性の確保に努めており

ます。また、魚については、現在①震災前に漁獲されたもの、②外国産のもの、

③放射性物質検査の結果、放射性物質不検出のものを使用しています。この他、

食肉については、現在、牛肉の使用は控えており、豚肉、鶏肉ともに市独自の検

査で放射性物質検査を実施しております。卵については、業者及び市独自で放射

性物質検査を行っており、結果を確認してから購入するなど給食食材の安全性の

確保に努めております。           【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

A-3、2における食材調達が不可能な場合の柔軟なメニュー変更

  

 <習志野市・回答>

  市独自で給食食材の放射性物質検査を実施しておりますが、使用予定食材につい

  て検査をし、仮に放射性物質が検出された場合(現在までに検出されたことはあ

  りません)には、産地を変更する等の措置を取る予定であります。万が一、産地

  を変更することができない場合や使用予定食材が出荷制限等の対象になった場合

  には、その食材の使用を中止し、他の食材による給食調理を行うなど柔軟なメニ

  ュー変更を考えております。         【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

A-4、給食の調理方法の工夫(放射性物質を除去する調理方法の選択)

  

 <習志野市・回答>

  放射性物質については、一般的によく洗浄することで、表面についた放射性物質  

  を洗い流すことができ、また、サラダや和え物については、一部を除きゆでた

  後、水で覚まして使用するため、その過程で放射性物質が減少するといわれてお

  ります。

  本市では、給食で使用する食材(野菜・果物など)を通常3回、多いもので5回の

  洗浄をしておりますことから、これまでどおり洗浄の徹底を図ってまいります。

                       【こども保育課・学校教育課】

  

 

 

A-5、調理後の給食をまるごと放射性物質の測定、結果の開示

(要望の補足説明)

現在、市内の園・学校で提供され、毎日子どもの口に入っている給食は、それ自体が測定されたものではなく、実態として安全性が確認されているものではありません。また、現在実施されている食材の少ない検体数のサンプル検査だけでは十分とは言えません。給食そのものを測定し、安全性を確認する動きは他自治体でも広がっています。また国もその方針を取る意向を示しています。可能な限り頻繁に給食の測定を行うこと、また、測定結果に応じて、産地変更・食材変更・メニュー変更を実施することが、真に安全なものを提供する観点から、重要だと考えます。また測定器の購入は、子どもたちを守るための重要な投資だと考えます。

 

 <習志野市・回答>

  まるごと検査については、今後実施することを検討しております。給食のまるご  

  と放射性物質の測定を実施した際には、現在の食材検査同様に、その結果を市の  

  ホームページへ掲載してまいります。     【こども保育課・学校教育課】

 

  

 

A-6、児童及び保護者が自由に給食か弁当を選択できるような体制の整備

  

 <習志野市・回答>

  給食については、給食か弁当かを含めて個別に対応する体制をとっております。

  保護者へは平成2391日に、市内全市立幼小中学校(園)長から「放射能問題  

  に対する学校給食の方針について」の文書を配布し、個別の対応を希望する家庭

  に対しては、各学校(園)で相談に応じる旨周知しており、給食を希望しない家

  庭については、弁当を持参していただくことは可能となっております。

  保育所におきましても、弁当持参を希望するご家庭には個別に対応する体制をと

  っております。               【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

A-7、1から6が継続される為の、定例会などの開催

(要望の補足説明)

内部被曝のリスクについて知見を有する有識者を含む、行政、保護者、学校、教育委員会等による被曝低減対策定例会を開催し、子どもの被曝を低減する体制を作ってください。

市民として、市に要望するだけではなく、私たちが住む習志野が安全で子供が健やかに育てる環境を作っていけるよう、リスクを共有し、行政・市民が一緒になって考えていくことが必要だと考えています。そして、市にも、可能な限り、リスクをゼロに近づけていく努力をしていただきたいと願っています。そのために、市民と行政、学校関係者等と双方向のコミュニケーションを図っていく場を持ち、協力的に対策を進めていけることに期待しています。

 

 <習志野市・回答>

  1から6については、習志野市復興まちづくり実施計画において、原子力発電所事

  故の影響の収束をみるまでとして位置付けるなど、継続実施してまいりますこと  

  から定例会等を開催をする予定はありません。 【こども保育課・学校教育課】

 

   

 

A-8、1から7に関して各施設の現在の対策状況アンケートの実施・結果の開示

  

 <習志野市・回答>

  本市の給食を提供している施設においては、すべての項目について共通理解を図

  り実施しているためアンケートの実施は予定しておりません。

                         【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

 

 

【校庭などの対策】

 

 

B-1、簡易放射線測定器の購入(各施設1台以上常備)

(要望の補足説明)

現状への対応、また今後の防災への観点からも、各施設に1台以上の放射線測定器の配備が必要です。それを用いて園・校内・通学路の詳細な放射線量マップを作成し、教員・保護者等に公開するよう、園・学校へ通知し、必要な支援をしてください。簡易型測定器は、他自治体が市民への貸し出しをしている機種、もしくは文部科学省が理科教材として推奨している機種から選定すればよいと考えます。

(文部科学省)「はかるくん」http://hakarukun.go.jp/html/line_up.htm

 

 <習志野市・回答>

  平成24年度の放射線測定につきましては、年3回の専門業者による委託により

  測定をすることとしておりますことから、各施設に1台の放射線測定の配備は考

  えておりません。その他随時の測定については、必要に応じて本市所有の測定器

  等により対応してまいります。        【こども保育課・教育総務課】

 

   

 

B-2、屋外(通学路含む)の放射線量の測定および放射線量マップの作成保護者への情報開示

 

 <習志野市・回答>

  学校や保育所につきましては、グラウンド、砂場、局所的に高い放射線量を示す  

  と言われている排水枡や側溝等を測定しており、これまでも保護者立会いのもと

  実施をしてまいりました。測定結果につきましては、市ホームページ、公民館、

  学校、保育所等に掲示し、お知らせをしているところであります。なお、通学路

  の放射線量測定及び放射線量マップの作成につきましては、これまでの調査結果

  から、特に問題となるような広域的な汚染はないことから、現在のところ予定し

  ておりません。         【こども保育課・教育総務課・学校教育課】

 

 

   

B-3、屋内の空間線量の測定、保護者への情報開示

(要望の補足説明)

年間の外部被爆線量を正確に把握する為、公立・私立問わず、全ての学校、幼稚園、保育所、こども園、また子ども達が利用する公共施設については、屋内の空間線量も測定してください。

千葉市において計測した小学校では、地上1mの屋外と校舎内の放射線量が同じという結果があります。放射性物質が付着した砂埃が屋内に侵入しているためと思われますので、子どもたちが直接、放射性物質に接触しないように、モップによる床清掃の実施が必要です。また、屋外から砂埃を室内に持ち込まない指導も必要と思われます。さらに学童幼児にはマスク着用や手洗いうがいを奨励し、放射性物質を体内に取り込まないための指導が望まれます。

 

 <習志野市・回答>

  屋内の空間線量の測定について実施する予定はありませんが、各施設及び保護者

  の方から要望があった場合は適宜対応してまいります。

                        【こども保育課・学校教育課】

 

 

  

B-4、吸引による内部被爆対策の実施(校庭に水を散布、児童にマスク着用を促す)

(要望の補足説明)

放射性物質の堆積物に接触したり吸入したりすることで内部被曝し、健康被害を起こすことが懸念されます。これらを防ぐために具体的な対策が必要です。既に習志野市の各学校におかれては「学校施設の砂ぼこり対策」として、グランドへの散水用として、校庭全体に水が撒けるように散水栓を設置されており、平常より散水を実施されていることと存じます。今後、吸引等による内部被爆軽減対策の一環として、風の強さや空気の乾燥状況などの天候の情報に留意して、散水の回数を増やすこと、児童へマスク着用を推奨する指導をしてください。

 

 <習志野市・回答>

  現在、市内小中高校及び保育所の放射線量測定の結果、日常生活には支障がない  

  とされる測定結果になっております。また、風の強い日などに砂埃等が飛散し、

  学校生活及び保育に支障がある場合は、水をまくなどの対策を講じております。

  また、児童へのマスク着用に関しましても、注意を喚起していきたいと思いま 

  す。                      【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

B-5、マイクロホットスポット対策(放射線量の高い場所への立ち入り制限および除染)

 

 <習志野市・回答>

  これまでの市内小中高校及び保育所の放射線量測定の結果、敷地全体としては市  

  の基準に照らし問題ない測定結果となっています。また局所的に高い放射線量を

  示すといわれる場所については、学校、公園等のべ1,000か所を越える地点

  を測定し、市の対応基準を超えるか類似した場合には土の入れ替え等の除染をし

  た結果、現在のところ市の基準を下回り、児童・生徒の立ち入りを制限しなけれ

  ばならないような箇所はありません。

                    【環境保全課・こども保育課・学校教育課】

 

   

 

B-6、除染マニュアルの策定(除染作業をする保護者らを無用な被曝から守る為のもの)

(要望の補足説明)除染には、市の職員のほか、市民が参加するケースもありますので、適切な知識と対応方法を周知した上で実施することが不可欠です。除染マニュアルには下記のような例があり、参考にできます。

(福島県)http://www.pref.fukushima.jp/j/tebiki0715.pdf

(我孫子市http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/18,85739,c,html/85739/josen_manual_ABIKO.pdf

 

 <習志野市・回答>

  習志野市では、福島県や我孫子市に見られるような校(園)庭の全面の除染が必  

  要な汚染はありませんので、保護者の方々に除染に参加していただく予定もあり

  ません。従って、例に挙げられたような除染マニュアルを策定する必要は無いと

  考えます。

   

 

 

B-7、除染用品の確保・提供(洗浄清掃・除草および表土除去に必要な作業道具の常備)

 

 <習志野市・回答>

  これまでも対応した除染の内容は、放射線量の高い地点の表層土を数センチ取り

  去りという軽微なものであり、職員の手で行っておりますことから、除染用品の

  確保・提供は考えておりません。       【こども保育課・教育総務課】

 

 

   

B-8、遠足・郊外学習の選定(被曝リスクを避ける為に行き先や活動内容および食材を十分に検討)

(要望の補足説明)

遠足や校外学習などの際の留意事項についてガイドラインをまとめ、各園・学校に、行き先や活動内容を決定する前に被曝をより避けられる選択肢を検討すること、事前の下見で活動実施予定場所の放射線量を測定し安全性を確認すること、さらに、活動実施時に、被曝のリスクを高めない配慮を検討することを通知してください。

 

 <習志野市・回答>

  習志野市では国の基準をもとにして、「広場の地上50㎝又は1m、及び砂場の地  

  上5cmで1時間あたり0.23マイクロシーベルト」と除染基準定めております。

  各学校、保育所においては、屋外での教育、保育活動は行われていますので、遠

  足や校外学習について同じ基準で実施するために、旅行先の各自治体が発表して

  いる放射線量を確認し選定しています。      【こども保育課・指導課】

   

 

 

B-9、1から8が継続される為の、定例会などの開催

(要望の補足説明)

内部被曝のリスクについて知見を有する有識者を含む、行政、保護者、学校、教育委員会等による被曝低減対策定例会を開催し、子どもの被曝を低減する体制を作ってください。

市民として、市に要望するだけではなく、私たちが住む習志野が安全で子供が健やかに育てる環境を作っていけるよう、リスクを共有し、行政・市民が一緒になって考えていくことが必要だと考えています。そして、市にも、可能な限り、リスクをゼロに近づけていく努力をしていただきたいと願っています。そのために、市民と行政、学校関係者等と双方向のコミュニケーションを図っていく場を持ち、協力的に対策を進めていけることに期待しています。

 

 <習志野市・回答>

  1から8については、習志野市復興まちづくり実施計画において、原子力発電所事

  故の影響の収束をみるまでとして位置付けるなど、継続実施してまいりますこと

  から定例会等を開催をする予定はありません。 【こども保育課・教育総務課】

   

 

 

B-10、1から9に関して各施設の現在の対策状況アンケートの実施・結果の開示

 <習志野市・回答>

  現在、市内小中高校及び保育所の放射線量測定の結果、日常生活には支障がない

  とされる結果となっております。したがいまして、対策状況についてのアンケー

  トにつきましては、考えておりません。    【こども保育課・学校教育課】

 

 

 

 以上A、Bに沿うことで、子ども達の内部被曝と外部被曝の合計が年1ミリシーベルト以内(※)となるように要望致します。

(※要望の補足説明)

現在の習志野市の方針では、外部被曝だけを考慮して年1ミリシーベルト以下にすることとされています。しかし、従来の国の法体系では、外部被曝だけでなく、内部被曝も併せて年1ミリシーベルト以下にするICRP(国際放射線防護委員会)に準拠した限度となっています。習志野市の現状の空間線量の値を考慮すれば、内部被曝を考慮しなければ、子どもへのリスクは大変大きくなります。よって、内部被曝を含めた追加被曝線量を年1ミリシーベルト以下におさえる為の、総合的な被爆の低減に努めるよう市の方針を定めていただきたいと考えます。

新潟県は、上記と同様の考えに基づき、内部被曝と外部被曝の合計値をふまえた規制値とするよう国に要望しています。(新潟県HPhttp://www.pref.niigata.lg.jp/seikatueisei/1320181214798.html

 

 <習志野市・回答>

  習志野市の現状からは、空間線量については基準値(地上0.5~1mで0.23μS

  v/時)を下回っておりますことから、今後とも局所対策と、内部被爆に対する

  調査を進め、無用な被爆の低下に努めてまいります。     【環境保全課】